はじめに

 「ちよろがの」は、私の父(クリスチャン、身体障害者、青島生まれ九州出身、戦争体験者、人を食った話が好き)が、齢八〇を越えた頃に、それまでパソコンでいろいろ書き溜めていた文章をまとめて作成した小冊子のタイトルです。「ちよろがの」の意味するところは「と、言っているではありませんか」という久留米(九州)の方言で、ずっと昔に亡くなった祖母が時おり口にしていた言葉でした。この言葉をその小冊子のタイトルとしたところの意図するところは、本編のエッセイを読んで頂いた皆さまが各自想像して頂ければ幸いです。

 冊子を上梓してから10年以上が経ちました。母は2023年に他界し、父は特養に入所して最近は体力も衰えてパソコンも使うことができなくなりました。いまや小さなともしびとなった父の生きた証であるこの「ちよろがの」をもっと多くの人に届けたいという思いが募り、このサイトを作りました。

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