私を支えてくれた女性たち

 これまで障害者として生きてきた私には、当然多くの支えや介助・協力をしてくれた人々がいる。どんなにしっかり自覚的に自分の人生を生きているつもりでも、具体的な生活をしていくためには、どうしても他者の手を借りなければならない。考えてみればその手を貸してくれたのは、私の場合、ほとんど女性たちだった。母、姉や妹、そして連れ合い。私が一〇歳のとき、父が病死したあと、戦中・戦後、女手ひとつで障害者の私を含め三人の子どもを育ててきた母の苦労は、想像にあまりある。その精神力はすぐれて強かった。そして、小学生のとき、学校で感染してきたハシカをうつした自分が原因で、弟の私が障害者になったのだとひそかに思い込み、生涯、面倒をみようと望んで自分の結婚もそのために決めた姉。

 その希望が破綻した姉の家を出て、年とった母と、障害者の私が新しい生活を始めてからの折々に寄せられた九州の妹の大きな支えや協力、それがどんなに当時の私たちを励まし力づけたことか。いま、現在の日々を迎え得ていることに対して、みなに深く感謝したい。最後にことし七六歳の妻。私の全く知らぬ土地に生まれ、縁あって私の二人の子どもを生み育てた。ご苦労様。

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