天国は招かれて入る?

 かなり前のこと。敬愛する先々代の牧師の追悼記念会の折のスピーチで高名な先生が「お見舞いに伺ったとき、親しくしていただいた家内に『あなたは口が悪いので天国にいけそうもないから、先に行って天国の裏門を開けといて上げよう』と冗談をいわれた」と披露された。そのお話を聞いて、ふと一つのジョークを思いつき、ずうと後のある集会で話した。「ある日の昼下がり、天国の裏門の人だかりをご覧になり『あれはどこの人たちか』と聞かれたイエスさまにお弟子の一人が答えた『N教会の人たちのようです』」。一瞬、白けた空気の中で、受けない二番煎じのジョークを告げた惨めさをいやというほど味わった。私たちに教えられている万人救済の思いを表わすには、確かに適切ではなかったと深く反省したのだが、数日後、その思いに追い討ちをかけるようなハガキを受け取った。篤信である教会の先輩の文面には「いつまでも天国の裏口から入れてもらうことでなく、堂々と天国の表門から入れるように、共に信仰に励もう」とあった。でも地上の生活を続けているかぎり、キリストの救いに与かりイエスの愛のわざに倣うことをどんなに祈り求める私たちであっても、天国はなお招かれて入れていただくほかはないと思うのだが‥‥。

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