沖縄基地問題の根っこ

 ずいぶん昔のことですが、生前の祖母から聞いた話です。ある親族の夫婦が何かの都合で、幼い子どもを連れて奥さんの里の家に寄宿していたときのこと。いわゆる坊っちゃん育ちで苦労知らずのご亭主は、生活環境の変化も気にせず、持ち前の性格のままに暮らしていたらしいのですが、ある日のこと、外出していた貞淑な奥さんが予定より遅くなって帰宅したところ、短気な彼は怒って、詫びをいう奥さんに「お前、出て行け!」と怒鳴ったそうです。するとすぐに、かたわらから「出て行くのは、あなたの方じゃないか」との声が飛んだそうです。シビアな、しかし、どこかのどかな話です。

 こんな昔の話をちょっと思い出しましたのは、戦後の長い年月、ずーっと懸案になって来ています沖縄基地問題で、日本側の大臣や官僚がモタモタした発言をしたりすると、たちまちすぐに米国側の政策責任者や軍人が「そんなに遅くまでハッキリできないなら、その他の基地問題の解決も白紙にする」とか、よく新聞などで読むことがあるからです。もともと本来、日本の主権のある国土内の問題であるのに、そんな発言を一方的に平然とされても、これまた、平然と聞いているいまの日米関係は、本当におかしいと思います。少しでも早く常識的で対等な外交関係になるよう、心から望みます。

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