人間社会に不変なものはない!

 「頻発する民族紛争の根本原因は、民族間の利害対立、経済的不均衡によるものであり、その背景としてはとめどない人口爆発がある。以前は自然現象的に殆ど多産多死であったが、最近はWHO(世界保健機構)等の活動で、多産少死になった。民族的、宗教的理由で産児調節ができない段階の地域で、保健活動を実施するのは、短絡的にいえば世界平和の脅威を助長することになるのだ。」

 こんな俗説を耳にすると、一種の歯がゆさを感じる。どこかで間違っていると思いながらも、それをちゃんといえないもどかしさと、そこにも一半の正当性があるのかという疑問。確かに人口爆発は社会的不安定要因になる。食糧を初めとする基本的生活条件の確保が困難になればなるほど多くの問題が生じてくるのは当然である。ただ、この俗説の根っこにあるものは、前提としての現在の社会体制や経済組織が絶対変更不能なものと考えていることだ。人間のつくり出したもので、絶対不変なものなど全くない。いま進行している日本の再軍備推進政策も同様だ。政府が現在強行する政策の前提とする国際状況も決して不変ではない。もし、それが不当な状況であれば周到な理念に基づき状況変革に努力することこそ政治家の責任ではないのか。しないのは政治家の怠慢だ。

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