息子の祈り

 ボクの父親は、子どものときの病気による身体障害者です。ボク自身は、幼い時期には父親が身体障害者であることを、ほとんど意識していませんでしたが、小学校へ行くようになってから周囲の人の反応で、段々、いろいろ考えるようになりました。そのころ、教会学校で『神様は心から信じて祈れば必ず聞いてくださる』と教えられましたので、ボクはボクなりに一心に信じて祈りました。『どうか、お父さんの障害が治り、自由に動ける体にして下さい』と。でも、現在に至るまでお父さんは自由になっていないどころか年を加えて、ますます危なっかしくなっています。しかしボクの一所懸命な祈りは聞かれませんでしたが、なぜか彼自身は身体障害者のままで、何とか元気にしています。教会の方々を始め、最近は多くの人々との交わりを喜び感謝しながら、毎日、けっこう忙しく楽しく暮らしているようです。当初からこんな気持では絶対なかったと思いますが、『ここまで来ると、せっかく神様から預った命なのだから、ご用に役立つことを探して開き直って生きるだけ』とか言って、相変わらず野次馬根性を発揮しています。迷惑をかけられているはずの母親は、時々、『お父さんは障害者でよかったのです。自由な体だったら、もっとたくさん罪なことをしたでしょうから』と言っています。

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